2022.03.09

2学期の活用状況とその先に見えてくるもの

 NTTコミュニケーションズ(以下NTT Com)の稲田です。

 前回のレポートでは7月・8月分の利用状況について書いており、次は9月・10月とかについてのつもりが、、、なかなか時間が取れず、2学期(9月~12月)について、まとめて書かせていただくことになってしまいました…。タイピング不精で申し訳ないです…。

1学期と2学期の活用状況をデータで見てみると

 「2学期になって慣れてきて、ICTを利活用する機会が増えてきた実感があります」とか、なんとなくのコメントだと怪しいので、嘘がつけないデータで状況を見てみます。

 こちらは小金井市内の小・中学校での、先生・児童生徒のまなびポケットへのアクセス状況の推移です。(週に1回以上アクセスしたユーザ数)
 1学期当初は年度の始めということもあり、またネットワーク環境もまだ不安定だったこともあり、正直なところ利活用が進んでいませんでした。
 この連携協定の取組が本格化し、第一回の次世代教育推進委員会が開催されたのが2021年5月31日。各校で右図のような推進体制をつくっていき、6月下旬から一気にICTの利活用が広がっていきました。

 その後、夏休みでは利用状況が減りますが、2学期は開始早々から高い利活用率に戻り、そのまま年末まで活用が続いているような状況となっていました。
 ICTの利活用が各学校・自治体レベルで定着してきていることが、データからも見えてきます。

100事例以上の実践を先生同士で共有

 各学校でのICT活用が定着していった理由の1つが、先生同士の活用事例の共有の促進です。2022年1月末時点で、実に169件の活用事例が先生同士で共有されています。
 実践事例は、まなびポケットが提供するBANSHOTというサービスの中で共有されています。それぞれ先生方自身が実践を記録し、共有してくださっています。
 小学校低学年から中学校、各教科だけでなく特別活動の事例もあり、活用されている学習コンテンツや機器も様々です。
 サムネイルで一覧表示され、校種や教科等で絞り込みができるようになっており、1つ1つの実践は以下のような指導案のような形式で共有されています。

 小金井市内で共有されている実践ではありますが、全国の先生方の参考になる事例もあるのでは、と思います。是非、ご覧いただけたらと!

データ駆動型の学びに向かって

 小金井市では、この半年ほどでICT活用の「量」については、活用率のデータによって一定程度の定着が示されています。また、ICT活用の「質」についても、次世代教育推進委員会を中心に各学校で推進体制を構築し、前述した実践事例の共有などを図り、活用の質を高める取り組みが進んでいます。
 小金井市のようにGIGAスクールの環境が日常活用されるようになった先は、データを活用した学びの実現です。
 最近はデジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が良く使われるようになっていますが、DXに向かうには3つの段階があると言われています。

 

 ツールをデジタル化する”Digitaization”。まさにGIGAスクールの環境整備と利活用推進がここにあたります。
 次の段階がデジタル化による業務変化=デジタルやデータによって指導や学び方が変化する”Digitaizaition”です。
 小金井市では、日々のICT利活用のデータを取得すると並行し、総括的(サマティブ)なデータ取得も行っています。具体的には、学力の状況をオンラインのテストで確認するためのまなびポケットCBTと、学級状態を把握するためのWEBQUの実施です。

 学力や学級状況の通年・経年での推移、それらをクロスして分析することや、日々の学習データとも合せて分析していくことで、まずは指導の個別化に繋げていくことになるのだと思います。少し時間がかかり、また試行錯誤を繰り返しながら進んでいくものだと感じています。この辺りの成果も是非、公開できるようにしていけたらと思っています。

 日々の各校での実践等については、実証レポートにアップされています。1月はほぼ毎週4件のレポートがアップされているので、是非、詳しい取り組みはそちらも見ていただけたらと。

 また、3月30日にはこの1年間の成果発表なども行う計画もあります。次回はその内容のレポートなどもさせてもらえたらと思います。

 ではまたー。