2021.09.21
第三回次世代教育推進委員会に関する報告
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の両角です。
今回は、2021年7月29日に開催された第三回次世代教育推進委員会に関する報告となります。
1.第三回次世代教育推進委員会におけるポイント
1時間枠の会議におけるポイントを以下の3点に置き、プログラム構成を設計しました。それぞれのポイントについては、後述します。
- デジタルドリル教材の活用率向上
- 学校間のICT活用事例の共有
- ICT活用における課題等を学校間で話し合い
2.デジタルドリル教材の活用率向上
他の自治体に先行して、情報端末の児童・生徒1人1台環境を整備するなど、ICTを活用した教育に力を入れている小金井市さまでは、以前より、全ての小・中学校で協働学習支援ツールを活用した授業実践が行われていました。一方で、その他のデジタル教材については一部の先生のみが活用されている状況となってます。
その他のデジタル教材を全校でご活用いただくために、教育委員会さまや現場の先生方の声を踏まえ、日常的な学習に活用でき、かつ児童生徒一人ひとりにあった個別最適化された学びをサポートする、デジタルドリル教材の活用率を高める取り組みから着手しました。
今年度から小金井市にご提供している、『まなホーダイ』では特色の異なるドリル教材が全部で6種類※ラインアップされています。以下のとおり、それぞれ特色の異なる教材となっているため、児童生徒の学習状況にあった教材を先生や児童生徒一人ひとりが選択できる形となっています。第三回の委員会では、短い時間ではありましたが、各デジタルドリル教材の特色を踏まえながら、教材のご紹介を実施しました。※2021年8月10日時点。
▼おさらい先生
読解と計算に特化し、放課後の学習支援などで活用
▼すいスタ
小・中学校の主要教科を網羅し、5万問以上の問題をラインアップ
▼デキタス
1本5分以内で構成された2,700本以上のアニメーションによる解説動画
▼navima
回答結果から自分にあった問題を出題してくれるAI型ドリル教材
▼みんなの学習クラブ
デジタルドリルだけでなく、プリント印刷にも対応
▼eboard
約2,500本の映像授業、7,000問のデジタルドリルで基礎からサポート
3.学校間のICT活用事例の共有
様々な教科や授業シーンでICTを活用いただける環境を作り上げるために、今年度末までに100事例以上という数値目標を設定して取り組んでいるICT活用事例の蓄積についてです。
第三回の委員会では、初めて学校間でICT活用事例の共有を行いました。この取り組みを始めて1回目ということもあり、事例共有は始まったばかりですが、共有された事例を集計すると多少の傾向が見られました。
国語や道徳、総合的な学習、委員会などの特別活動において、協働学習支援ツールを用いた活用事例が多く共有されています。一方で、小学校低学年の事例共有が少なく、先生方からも「小学校低学年のICT活用事例を知りたい」といった要望が出ている状況でした。
委員会内では、「Chromebookを低学年でも活用しているよ」といった先生のお話もあり、次回以降の委員会において、小学校低学年におけるICT活用事例を優先的に共有いただくよう先生方にお願している状況です。
このレポートではICT活用事例の集計状況をご紹介するまでに留めていますが、今後、本WEBサイトにて、小金井市の学校におけるICT活用事例を具体的にご紹介していく予定です。
図. 各学校から共有されたICT活用事例の集計結果
(赤枠:事例共有が多かったところ、青枠:事例共有が少なかったところ)
4.ICT活用における課題等を学校間で話し合い
第一回の次世代教育推進委員会において、先生同士がICT活用における課題や課題解決方法、ICT活用事例などを話し合うプログラムを用意しました。そのプログラムでは、先生方が活発に議論されており、その様子から現場の先生同士だから理解し合える課題があり、その解決策についても有意義な議論が行えると感じ、第二回の次世代教育推進委員会においても、先生同士で話し合う時間を設けました。
先生同士で話し合われた主なテーマとその簡単な内容は、以下のとおりです。複数の先生方から挙がったご意見を踏まえると、先生方はICTを活用した授業だけでなく、ICTを活用した働き方改革を模索している様子が伺えるため、今後弊社としてはICTを活用した業務負荷軽減策などを検討し、小金井市さまにご提案していきたいと考えています。
- 低学年でのICT活用事例を知りたい
ミニゲーム感覚でイラストを描いたり、撮影した画像を貼り付けて作品を作るといった事例が他校の先生から紹介されました。 - 働き方改革に資する校務のICT活用
Google Formsを活用して、アンケート集計作業の時短につなげたという事例が他校の先生から紹介されました。 - 学校内のICT活用事例の共有方法
まなびポケット上に、ICT活用事例を共有するためのチャンネルを作成し、そのチャンネル上でICT活用事例を校内で共有している事例が他校の先生から紹介されました。 - ICT担当教員の負担軽減方法
各学年にICTを担当する教員を配置することや、ICTに関する取り組みに2名以上の教員を配置することで負担の偏りを避けているという事例が他校の先生から紹介されました。 - デジタル教科書と紙の教科書の使い分け
例えば、英語ではフラッシュカード等の教材を利用するケースや音声を流すシーンや国語の教科書の模範朗読を各自自宅で聞いてくるといったシーンでデジタル教科書を活用している事例が他校の先生から紹介されました。
5.第三回次世代教育推進委員会を踏まえた今後の計画
今回の委員会にて先生方から共有いただいたICT活用事例や先生方のお話を踏まえて、小金井市全体でICT活用を推進していくための課題は、以下の点にあると考えています。今後の次世代教育推進委員会などを通じて、これからの課題解決を支援させていただく予定です。
- 協働学習ツール以外のデジタル教材の利活用促進
- ICT活用事例の少ない領域(小学校低学年の活用事例等)の事例蓄積
- ICTを活用した先生方の業務負荷軽減策の検討と実行